令和4年司法試験合格者の声(2023年7月27日掲載)

岡大ロースクールを志望した理由を教えてください。

Aさん(既修)
 学部の先生から推薦していただいたのが大きかったです。他大学の受験も考えましたが、司法試験合格を目指す環境としては岡大ロースクールが自分にはベストだと考え、志望しました。
 4年間岡大に通った思い入れもありますし、実際に岡大ロースクールに合格した際に授業料分の給付型奨学金に採用された旨の通知もいただけたことも大きな理由でした。
 私は、学部時代に法科大学院資料室でアルバイトをしていたのですが、そこを利用する岡大ロースクール生の雰囲気が良いところを見ていました。リフレッシュルームで学生同士楽しそうに勉強の話をしている姿も印象的で、岡大ロースクールに決めました。
Bさん(既修)
 私も学部の先生に薦めていただいたことがきっかけです。学生の多いロースクールだと、先生のところに自分で質問に行かないと埋もれてしまうと思っていました。私は質問に行く最初の一歩を踏み出すのが不安で、はじめから先生と学生の間の距離が近いロースクールが望ましいと考えていました。
 Aさんと同じく資料室でアルバイトをしていて、学生が授業や課題に追われていると言いながらも、その環境を楽しんでいるように見えたので、先生との距離の近さや、学生同士の情報共有・切磋琢磨が盛んな雰囲気に惹かれ、岡大ロースクールを志望しました。
Cさん(未修)
 私は他大学から岡大ロースクールに進学しました。
 ロースクール入試においては、岡大以外のロースクールにも合格していたのですが、私は未修入学者へのフォローがどうなっているのかがとても気になっていました。岡大ロースクールの面接の際に、面接官の先生に実際のところを質問してみたところ、先生は詳細に説明をしてくださいました。その情報が役に立ったのはもちろんですが、そもそもこういう相談をできる雰囲気そのものに惹かれたところが大きいです。
 私のような学習の進んでいない者、不安を抱えている者の面倒をしっかり見て、合格までもっていってくれそうな環境として、岡大ロースクールを選びました。




岡大ロースクールの授業は役に立ちましたか、役に立ったとすれば、どのような点が役に立ちましたか。

Aさん(既修)
 先生にライティングの課題(起案)を見てもらえるのが司法試験に直結したと感じています。特に刑事訴訟法は、再提出したものも見てもらえてよかったです。
 添削していただく中で、各科目の答案の型が見えてきたり、先生方がどのように問題にアプローチしていくかという思考過程を体感できたのが大変役立ちました。
 私は、既修1年次の演習の授業や起案の添削を通じて得た知識を、予備校の論証集の改造に活用していました。情報を一元化するために行っていたのですが、司法試験合格までずっと改造を続けていて、これが合格に直結したと思っています。
Bさん(既修)
 既修者として入学した直後から、演習の授業で先生に発言を求められたことが強く記憶に残っています。予習の際にインプットした内容を答える機会だったのですが、準備してきたもの以外の質問もあり、学生は考えたことをその場で瞬間的に言わなければなりませんでした。当時は本当に嫌だったのですが、自分で考えるきっかけになっていて、やはり役に立ったと感じています。
Cさん(未修)
 未修者として入学した私は、未修1年次の講義科目の価値が明確には理解できていなかったと感じています。
 2年次に進級して既修入学者と合流した時点で、学力の差を痛感し本当に焦ったことを覚えています。この時、未修1年次の講義の内容を見返したのですが、そこで扱われていた内容が2年次の演習科目で活きていることが体感でき、ここでやっと講義科目の重要性をつかめたと思います。
 それ以降は、講義と演習を行ったり来たりしながら学習を進めましたが、授業を大切にするべきだと思います。




岡大ロースクールの学習環境はいかがでしたか?

Aさん(既修)
 何不自由ない環境でした。
 私は、朝9時から22時まで大学にいたと思います。週末も休みなく大学の自習室に通っていたので、自宅に留まっていた日はほとんどなかったのではないでしょうか。
 リフレッシュルームで気分転換することもありましたが、周囲が勉強している雰囲気を感じて、休んでいる場合ではないと思えたことが私には良かったです。休憩がてらゲームをしている人の様子を見て自分もぼんやりしている時に、別の人が答案を書いている音が聞こえてきて、「ヤバッ!」と危機感を得られたこともしばしばでした。
 また、私はBさんともう1人(司法試験予備試験合格者)の3人で自主ゼミを組んでいました。教材(法学教室の演習)を中心に、週1回集まって、各自の答案にコメントし合う形式です。予備試験合格者が同級生にいたことが貴重で、その人の理解に自分が追いついていないことで焦ったことが多々ありました。ただ、3人という私たちにとってベストな人数でゼミを組んで学習を進められたので、そういう環境に身を置けたことが合格の秘訣だったと思います。
Bさん(既修)
 めちゃくちゃ良い環境でした。
 自習室が夜遅くまで開いているので、私も9:00~22:00という感じで大学で勉強していました。PCと資料室の使い勝手がとても良く、土日も含めて通っていたと思います。
 ただ、私はAさんとは違って休む際にはスパッと休んでいました。逆に、周囲が少し緩んだ空気になっているときに自分が課題をしたり、答案の練習をしていたりするのに気づいた際には、自分を褒めていました。そういう周囲との適度な距離感が良かったと思います。
 また、Aさんと同じ自主ゼミを組んでいましたが、やはり予備試験合格者と一緒に勉強できたことから大いに刺激を受けました。司法試験合格にとても近い場所にいる人を目の前で見ることができたので、それに付いていけば間違いないと思えました。私は、ゼミ成立のコツはしっかり教材を決めたことと、疑問を先生にぶつけるタイミングを定めたことだと思っています。経済法の起案を進めていく際、教材(法学教室の演習)を決めてそこにあった12個の問題を潰していったのですが、全部やると決めたおかげで穴のない知識になったと思います。そして、起案したものをゼミでブラッシュアップして、それでもわからない点を先生に質問するようにしていました。そのおかげで理解が深まったと思います。
 こういう環境が岡大ロースクールにあったのがありがたかったです。
Cさん(未修)
 私の勉強時間は9:00~21:40でした。
 9時に勉強を開始するのは司法試験の開始時刻が9時だったからで、21:40まで勉強していたのは一緒に勉強していた友人が帰る時刻だったからです。在学中ずっとこのスケジュールで動いていました。そうやって強制的にペースメイクすることで、常に一定の勉強時間を確保できていたと思います。
 同じような考えで毎日の勉強スケジュールを組み立てる友人がいたことは大きかったです。
 私の世代では学生同士での自主ゼミはほぼ無かったと記憶しています。新型コロナウイルス禍でオンライン授業になっていたことが理由だと思うのですが、その代わりに先生方がコーディネートするゼミが多く開講されフォローしていただけました。予復習の際にゼミ生同士で議論し、私も含めて3人前後でZoomをつないで自分たちの答案に対する検討コメントを出し合っていました。その上で、疑問に思ったことを先生方に質問していた点では、Bさんと同じ方法だったと思います。




岡大ロースクールで勉強してよかったと思うことを教えてください。

Aさん(既修)
 やはり、少人数であることを活かして、起案を先生方に見てもらえたのが1番大きかったと思います。おそらく、他所のロースクールより頻度が多かったのではないでしょうか。
 特に、商法演習では起案のためにコンメンタールに何度もあたる必要があったので、資料室をよく利用しました。商法が得意になったのはこの商法演習のおかげだったと感じています。
 また、進学を検討していた他大学は、都市が大きいので遊べる場所が大学周囲に多くあるのですが、少なくとも勉強にはよくないと私は思います。岡大ロースクールは誘惑が少なく、勉強に集中できました。
Bさん(既修)
 アポを取らずとも先生方にどんどん質問できる距離の近さがありがたかったです。質問に回答をいただいた後、そのままその場で議論する機会が多かったのですが、これが理解を深めるのに大いに役立ちました。
 また、Aさんが言うように、やはり大学周辺に遊び場がないのがいいのかもしれません。勉強に集中できることが1番です。
Cさん(未修)
 Aさん・Bさんと同様ですが、私は講義棟のアクセスが良いことも魅力であったと感じています。多くの時間を過ごす自習室と同じ建物に演習室や講義室があり、2~4階の移動のみで良いのが助かりました。特に、自習室と同じフロアにある資料室が便利で、職員さんとアルバイトの方がいらっしゃることが心強く、すぐに資料にあたれました。
 私は、卒業後、実家の鳥取で勉強していたのですが、岡大で勉強に集中できる環境がありがたかったことを痛感しました。




その他

≪成功要因≫
Aさん(既修)
 他の人の起案を見る機会が多かったことが大きいと思います。答案への考え方は人それぞれで、予備校の利用状況もまちまちでしたが、それを踏まえて自分なりに取捨選択していく過程で理解を深められたことは重要でした。他人の起案のいいところを“盗む”ことで自分の答案をブラッシュアップできました。
 課外ゼミも含めて、起案を提出する機会を積極的に利用していったことが成功要因だと思います。
Bさん(既修)
 私は自主ゼミを組んでいましたが、スケジュールの都合で、岡大ロースクールが提供してくれる課外ゼミは利用できませんでした。
 ただ、普段の演習科目では、事前に論証等を暗記して授業に臨むというよりも、その場で自分の頭をフル回転させて考えるようにしていました。それが習慣化していたことで、司法試験の際にも自分の頭で考えることができたことが成功要因だと思います。先生方は、授業での受け答えを通じて、中途半端な理解をしている学生を見逃しませんでした。緊張感を持って授業に臨めたと思います。
 これを心がけながら、優秀な同級生の出す意見に噛みつけるかどうか、学問的なケンカをしていたのが活きたと感じています。
Cさん(未修)
 私の世代には、1人優秀な方がいて、それについていくのが1人いて、私はこれを見ていた感じでした。
 それだけだと受け身の姿勢で良くないので、合格した年は改めたのですが、優秀な人を追いかけることができるのも才能だと思います。ハングリー精神を持ちつつ、答案を褒められたいという気持ちを大切にするべきです。褒められると、やはり再現性が出てきて、次に答案を書く際により良くしようと思えたので、これが成功要因だったと思います。

≪この科目は良かった≫
Aさん(既修)
 やはり刑事訴訟法だと思う。添削を通じて点の取り方を知ることができたのが良かったです。司法試験本番でも安心感をもって臨めました。起案の提出期限厳守が徹底されていたのも、強制力があって良かったと感じています。
 逆に、民事訴訟法や行政法は演習時に添削を受けていないので、最後まで苦手意識が残りました。特に行政法は結局最後までわからなかったのですが、合格したのでラッキーでした。課外ゼミが受験特化型であり、答案を形にできたと思います。
 また、民事執行・保全法は、とてもしんどかったのですが、履修して本当に良かったと感じています。
Bさん(既修)
 刑事訴訟法と商法は、科目自体を好きになることができました。
 憲法と経済法は答案の型をしっかり学ぶことができました。なんとか形になるところまで指導していただけたので、普段の勉強だけでなく、司法試験本番でも答案が書きやすかったと感じています。
 また、行政法のOB・OGの課外ゼミでは、設問の誘導に乗る方法を教えていただけたのも大きかったです。配布していただいたレジュメも準備が行き届いていて、とても助かりました。
 民事訴訟法は、自主ゼミで司法試験の過去問をしっかり回しておいたのが良かったと思います。Aさんが挙げる民事執行・保全法の授業は、民事訴訟法を意識して実施されているのが良かったです。
Cさん(未修)
 私の時代に民事訴訟法のOB・OGゼミを担当してくださった先生は、正確な受験情報に基づいて指導してくださったので、これが効いたと思います。

≪授業とのつながり≫
Bさん(既修)
 授業が司法試験合格の全てであったと思います。私は予備校の講座も利用していましたが、岡大ロースクールでの授業に勝るものはありませんでした。先輩方の姿からもそう確信しています。
 先輩と情報交換しつつ、岡大ロースクールを使い尽くしたのが合格への道だったと思います。
Cさん(未修)
 未修者として入学した私ですが、未修の時間は宝物であったと思います。まっさらな状態から、やるべきことを先生方に叩き込んでもらえることの重要性を理解することが必要だと思います。
 よく、既修者は知識があると言われますが、それ以上に、柔軟に考える力も既修者の方が備わっているように感じています。未修者はどうしても十分理解しないまま点が取れそうな事柄を答案に書いてしまうことがあります。自分で考えて食らいつく機会が岡大ロースクールの未修にはしっかり確保されているので、それをしっかり活かすべきだと思います。